こんにちは。なんなんです。
ワードプレスを前提にHP作成代行を行うとき、次の点についてお客様と事前に決めてから作るように教えられました。
専門用語ですが「要件定義」というそうです。
ひとつひとつ細かく説明すると長くなりそうなので、初めて作ったワードプレスホームページ「ピアノ教室サンプルホームページ」を例に、ページのどこがどの要件定義になるのか見ていきたいと思います。
*緑の枠はメニュー(グローバルナビゲーション)です
要件定義とは?
要件定義
・wordpressでいいか?
・固定ページ数
・ブログ機能は必要か?
・テンプレートは無料・有料か?
・追加機能は必要か?(お問い合わせ機能など)
・写真やイラストなどの素材はどちらが提供するか?
・ドメイン、サーバーはどちらが管理するか?
・デザイン 詳細はどちらが準備するか?
・httpsが必要か否か?
・SEO関連(アナリティクス、サーチコンソールの設定必要か?)
数字をふって1つずつ図解します。
要件定義1〜10までみてみます。
1.wordpressでいいか?
「ピアノ教室サンプルホームページ」は小規模ながら、ワードプレスをつかった運営サンプルページです。
ワードプレス設置では次のものが別途必要になります。
・レンタルサーバー(エックスサーバー、ロリポップなど・有料)
・独自ドメイン(〜.com 〜.netなど)
ワードプレスを使わないサービスではレンタルサーバーが不要です。
・jimbo、wix、ペライチなど簡易HPのページ作り(無料・有料)
・アメーバブログなど無料ブログ
独自ドメインにこれらの簡易HP、無料ブログをつなげる方法もあります。
ワードプレス受注という前提で、2以下を説明します。
2.固定ページ数
このサンプルHPでは「7つ」の固定ページを使っています。
レッスン料金など、書き直しは自分で可能です。
「固定ページは何枚必要ですか?」と受注のときにたずねます。
「講師紹介ページ」「イベント開催日」「写真ギャラリー」「地図・連絡先」など、必要なページを思い描いて枚数を決めておいてください。
3.ブログ機能は必要か?
このサンプルHPでは、トップページの左下に「レッスン日記」と「ピアノ指導コラム」というブログ機能を持たせました。
固定ページの他に、動的なお知らせを更新していくことが可能です。
投稿一覧のうちカテゴリー「レッスン日記」とカテゴリー「ピアノ指導コラム」の最新投稿だけが載るようにしました。
この2つを分けずに一緒でもいいなら、もう少し簡単にできます。
ブログ機能を持たないwpサイトの方が日々の運営は簡単です。
4.テンプレートは無料・有料か?
無料テーマ・有料テーマともインターネット上からダウンロードして、zip(圧縮ファイル)状態でワードプレスにインストールします。
有料・無料ともカスタマイズのために「子テーマ」が必要です。
子テーマがあるテーマはそちらも配布元からダウンロードし、ない場合にはこちらで子テーマを作成します。
・無料テーマ
無料のため文章を入れたあと別テーマに変更しやすいです。(経済的理由)
・有料テーマ
1つ1万円くらいと高額、返金不可です。
よく考えてから購入します。
自分にマッチしたテーマは、サイトを効果的に飾ってくれると思います。
5.追加機能は必要か?(お問い合わせ機能など)
「お問い合わせ機能」の多くはメールアドレスを入力してもらうため「9.https機能は必要ですか?」の問いにつながります。
レンタルのメールフォームをつないだり埋め込む方法を使っているユーザーも見かけますが、プラグインでメールフォームをつけ、サイト全体をSSL化するというのが見た目も機能もすっきりしそうです。
9.のSSLと合わせて追加機能の有無を考えます。
ラジオボタン(◯に回答する)でアンケートページなども、同様かと思います。
ピアノ教室サンプルHPでは、まだお問い合わせフォームは設置していません。
6.写真やイラストなどの素材はどちらが提供するか?
ピアノ教室サンプルホームページでは、商用可能フリー素材サイトから子供の写真、子供のイラスト、花の写真、ラインのイラストをお借りしました。
こちらで用意した素材で提供したことになります。
人気ラーメン店が自分の店のラーメン写真をメニューに載せる場合、お店から写真を提供してもらうことになります。
ご自身や店員さんで撮影される場合もあるでしょうし、プロカメラマンに撮影を依頼する場合もありそうですね。
双方で写真素材を提供する場合、この写真はこちら、この素材はあちらと決めるとよいでしょう。
ワードプレステーマにクリックするボタンなどもともとついていればいいのですが
それらでは足りない細かい素材が必要になる場合もあるかもしれません。
「四角でかこってピンク色、影をつけて文字入れ」のボタンはCSS(スタイルシート)で表示できて、HP素材の画像を用意しなくてよいかもしれません。
(昔は細かいボタン、ライン、アイコンなど画像を多用しました)
7.ドメイン、サーバーはどちらが管理するか?
ピアノ教室サンプルHPですが、もしどなたかに作らせてもらうとしたら、サイト所有者にドメイン手続き、サーバーレンタルしてもらうつもりでした。
「どうしても自分ではできないので借りてください」と言われた場合は、月3000円〜5000円で受けるのが相場と聞きました。
ピアノ教室にとっては高額な経費となるため、ピアノ教室の先生がワードプレスサイトを持つ場合は、ドメインやサーバーの知識を持ち、自分で管理することをすすめます。
当方でお引き受けしてもいい所もありますが、もし私自身に万一のことがあった場合、ドメインの更新やレンタルサーバーの支払いが滞ってしまいます。
せっかく取得したドメインが他人の手に渡ったり、レンタルサーバー上にあるワードプレスを維持できなくなります。
複数人で受注できず私ひとりで対応可能は範囲でとなると「サーバーとドメインは自分で持っていてください」とお願いするしかないのが現状です。
8.デザイン 詳細はどちらが準備するか?
全くわからない場合には「このページはこのような構成でどうですか」とこちらから提案する場合もあるかもしれないですね。
パソコンやサーバーの知識は別として「こんなページ構成にしたい」というイメージは各々の依頼者でお持ちだと思います。
しばらくは「紙」をお渡しして、何枚かペンや鉛筆で書いて、ページの組み合わせ(リンク)なども言葉や文字・絵で説明してもらおうかと考えています。
ピアノHPサンプルページはこちらでデザイン詳細の見本を提案させてもらったものです。
見本があれば「これはいらない」「ここにこの内容がほしい」「あそことここは入れ替えて」と言えるのではと考えました。
9.httpsが必要か否か?
「httpとhttpsのちがいカテゴリー」の記事をごらんください。
「サイト全体をSSL化する」という機能で、これが必要ですとエックスサーバーを選択していただくのが現実的なのではと考えます。
10.SEO関連(アナリティクス、サーチコンソールの設定必要か?)
「強いサイトを持ちたい」という場合にはあった方がいいでしょうし、「見てもらうだけだから」という場合にはいらないのかもしれません。
・グーグルアナリティクス
アクセス解析のことです。
サイト所有者のグーグルアカウントから登録作業をします。
その画面からコードをとりだし、自分のワードプレスサイトに組み入れます。
「どんな年齢・性別の人が」「どのページを見にきてくれて」「何分くらい見ていってくれた」などの全体情報がわかります。
・サーチコンソール
こちらもどんな人がページを見にきてくれたのか調べるツールです。
アクセス結果というより「この検索ワードで調べに来た」というデータがわかるツールです。
どちらの解析も合わせて使うことができます。
解析結果をみてユーザーを知り「こんな内容をサイトに盛りこもう」と参考にする人が多いです。
その他
ワードプレスサイトを1つだけ作って終わりではなく、続けて2つ、3つと持ちたい人もいると思います。
その場合は、ドメインの持ち方をどう使い分けるのか、決めないといけなくなります。
サーバーによって値段・条件がちがいます。
ドメインをどう扱うかは、サーバー選びにも影響します。
*SSL無料のこともあり、月額900円かかってもいいならエックスサーバーを選ぶのが無難なのかもしれません。
・サブディレクトリですませるのがいいか
http://kakaku.com/kamera/
http://kakaku.com/car/
(この会社は食べログ、不動産サイトも持っています)
・サブドメインをつかうのがいいか
https://chiebukuro.yahoo.co.jp
https://mail.yahoo.co.jp
・マルチドメインで3つべつべつにもつのか
同じ会社だそうですが
https://kakaku.com/(価格コム)
https://tabelog.com/(食べログ)
https://sumaity.com/(不動産)
東京ディズニーリゾートは「サブドメイン」「サブディレクトリ」「別ドメイン」使いこなしています。
http://www.tokyodisneyresort.jp/ (トップページ)
http://www.tokyodisneyresort.jp/blog/ (ブログ・サブディレクトリ)
https://reserve.tokyodisneyresort.jp/hotel/search/ (ホテル予約・サブドメイン)(チケット購入・レストラン予約もあるためサブディレクトリも使用)
おそらく別ドメインで
http://www.olc.co.jp/ja/index.html (オリエンタルランド・会社ホームページ)
まとめ
意味のわからないものがあれば、設置の日に説明します。
「どうしますか?」と聞かれたときに「こうだから、これにします」「これを追加したいのですが」の声を聞けるといいのかと思います。
また「何のためにそのサイトを持つのですか?」を、依頼者(HPつくってと私に頼んだお客様)によく聞くといいと言われました。
目的、手段がはっきりすると、つくるべきサイトの姿がしぜんと浮かび上がってくるのではと考えます。